
基本情報
鎮座(所在地)
山口県下関市豊浦町宇賀2960
御祭神
(下社:谷川稲荷)宇迦之御魂大神
(中社:谷森稲荷)大宮能売大神
(奥社:谷嶽稲荷)大市比売大神
御神徳
五穀豊穣、商売繁盛、豊漁、航海安全、交通安全、技芸上達、学業成就
縁起
「安須波の原といえるは、この谷ヶ浜の景地なり。人皇景行天皇此の安須波の原に御臨幸のみぎり、犬鳴山の姫菖蒲のの叡覧あり、その美景に見とれられ帰る(いぬ)ことを忘ると。即ちいぬなき山といわれたり、其れ以来此処を犬鳴山といつしか転音せり。」(長門国名勝記)福徳稲荷神社は、山口県西部(旧 長門国)豊浦町宇賀犬鳴の稲荷山中腹に遷座し、響灘を臨む全国でも希な観海の稲荷神社である。往時は現在の千本鳥居参道内に谷嶽・谷森・谷川稲荷の呼称で祀りお社を造営していたことがうかがえる。昭和四十六年晩秋に三所の稲荷神社を合祀する社殿を新たに造営、谷川稲荷の碑に刻されていた『福徳』を神号として福徳稲荷神社と称えて現在に至る。五穀豊穣・商売繁盛は固より、豊漁・航海安全、更には交通安全・技芸上達・学業成就等に霊顕あらたかで、その他諸々の願い事を祈る参詣者が拝礼に訪れる。平成六年に環境整備の大改修を施して今の荘厳な神社となり尚一層御神徳が発揚されている。
福徳稲荷神社『参拝のしおり』 より抜粋
交通情報
公共交通機関
JR山陰本線 湯玉駅下車 徒歩21分(1.4km) 又は 車で5分
車
下関市内から国道191号線経由で46分(30.2km)
長門市内から国道191号線経由で56分(45.0km)
駐車場
大鳥居のある急坂を上がって、二の鳥居下に大規模な駐車場あり。(最大数十台駐車可能と思われる。)

参拝記
最近山口県や萩市と連携してのお仕事があるため、頻繁に山口県内に訪問しているうちに、山口県における神社参拝回数がうなぎ登りに増えている。参拝すればするほど山口県との関係が更に深まって、仕事でも盛り上がると良いなあと思いつつ、今回は「福徳稲荷神社」に参拝した。
山口県のこの地域「豊浦」は、仲哀天皇の熊襲(九州)平定時や景行天皇の臨幸など、様々な歴史の局面でスポットの当たった地であった。実際、仲哀天皇の「豊浦宮」は、現在の長門国二宮「忌宮神社」の鎮座地の下関市長府という城下町のエリアに逢ったとされている。
忌宮神社というのは読んで名のごとく、崩御した仲哀天皇を祀った地とされており、下関という土地柄、出雲・吉備・大和へのいずれの地域へもゲートウェイになる地域だったのだろう。

本社は比較的新しく、以前より稲荷山に祀られていた3つの社を統合して昭和46年に合祀して造営された神社で、目の前は日本海、本殿は稲荷系らしく朱塗りの社殿で、まさに絶景中の絶景である。
この景観に感嘆し、景行天皇が「去る(いぬ)ことを忘れる」ということから「犬鳴山」と名付けられたのももっとも。しかも、北国の日本海ではなく、南国の日本海なので、天気次第であろうが青々と美しい海は爽快そのもの。

山口県の神社と云えば、絶景神社の代表格「元乃隅神社(旧元乃隅稲荷神社)」が有名ではあるものの、雰囲気は異なるがこちらもそれに劣らない絶景と云える。残念ながら訪問したのが午前中であったのだが、夕方など光が低い角度から差し込む時間帯に訪問されることをおすすめしたい。
元乃隅神社は海外インバウンドブームで異常なほど混雑しており、昨年訪問時には駐車場の整備工事を行っていて、神社の入口まで臨時駐車場から1km以上の上り坂を歩くという苦行を味わった。こちらの福徳稲荷神社はまだそこまでメジャーになっていないので、今が訪問のチャンス!特に本殿を背にして大きな海を眺めるシチュエーションは最高だと思う。
コメント